勧善懲悪
日本人は勧善懲悪が大好き。
元旦那がゲイでショタコンだった。
婚姻期間中もゲイ専用の出会い系サイトで知り合った若い男の子(夜中に外出してたからたぶん成年)と発覚しただけで2回は浮気された。
離婚の際に「(離婚は)あなたのせいよ」と姑にかなりきつく責められたけど、旦那がゲイでしかも中学生位の男の子が好きってことや、それによって夫婦がセックスレスで、そもそも私のことなんか最初から好きじゃなくて偽装結婚だったのかもしれないとか、離婚に大きく作用した彼の性的嗜好については一切言わなかった。
なぜかというと、性的嗜好はそう簡単に変えられるものではないからだ。
彼が20年以上両親にひた隠しにしてきたその秘密を、短期間だけ彼の人生に関わっただけの私が、別れるから、憎いからという感情でぶちまける訳にはいかないと思ったから耐えたのだった。
離婚については双方の問題だから、彼にも言い分はあるだろうけど、少なくとも私の目から見た離婚時の様子はそうで、他にもさまざまあったけどしつこくなるから割愛する。
ただすべてが終わった後に、離婚の経緯や理由は私の家族や親戚に言ってあったのだけど、親戚たちは半信半疑で、私の勘違いだと思っていたらしい。
月日は流れ、離婚から約2年が経ったある日、
春風にのって元旦那逮捕の知らせが舞い込んできた。
罪状は児童売春。
新聞記事には、元旦那は未成年の男子を買ってみだらな行為をし、罪状を認めていると書いてあった。
心底驚いた。
買った額が安くて中途半端な値段だったというのも衝撃だったけど、
何よりも何よりも
お金を払わないとやらせてもらえない境地に達してしまったことに驚いた。
老いるって悲しいんだね。
性欲が湧く対象が男で(ここまではいいとして)、しかも未成年となるとだいたいが即犯罪に繋がってしまうから、それまで元旦那のことを可哀想だと思っていた。
その一方で、後に転職するけど、結婚当時は仕事が塾講師だったから、なんて業が深いのだろうと、生徒に何かするんじゃないかと心配もしていた。
でも世の中、異性愛者の男性の中にも一定数女児や女子高生が好きな人はいて、もし未成年と性交渉に及んだりそこに金銭の授受が介在していたら、元旦那同様逮捕の対象になってしまう。
それは女性もまた然りで、成人女性が未成年の男子とそうなれば逮捕される。
個人的に、おっさんが女子高生と援交して捕まった事件については、ただただ「バカじゃん」と思っていた。
それなのに、おっさんが男子校生と援交して捕まった今回の事件について「可哀想」と思うのは、おかしい気がした。
相手が異性だろうと同性だろうと、実現したらすなわち犯罪行為になってしまう性的嗜好であることには同情するが、理性で抑制せずに一線を越えてしまった時点で、元旦那は可哀想でもなんでもないんじゃないか。
可哀想と思う時点で下手に差別してるんじゃないかと考え、最終的に自業自得だと思い至った。
半信半疑だった私の親戚は元旦那逮捕のニュースを見て、私の言い分が正しかったとやっと理解してくれた。
元旦那が身をもって証明してくれたおかげだ。
やっぱり悪いこと(性的嗜好の話とは別。ここには書かないけど)をすると天罰が下るのだと感じる。
襟をただして、誠実に生きようと思った。